SAPIA海外子女教育研究所について教えてください。

日本からアメリカに赴任してきた家族がまずぶつかる大きな問題の1つとして、教育が挙げられます。親が子供を前にして「この子を海外という環境の中でどのように育てていけばよいか」という親の問いが本校の原点です。私はシカゴで22年間海外生を育ててまいりました。また、私自身現在自分の子供を海外でどう育てていくかという課題に取り組んでいます。SAPIAはよく「塾」という言葉で呼ばれます。もちろん、生徒たちの夢をかなえるために生徒と一丸となって目標に向かって努力し、今までにさまざまな合格実績を上げてきました。ですから、塾的な側面を否定するつもりはありませんが、合格実績はあくまで1つの結果であり、SAPIAは子供たちをもっとトータルに見て育てていきたいという基本姿勢を持っています。小学校1年生から高校3年生まで、現在約120名の生徒が学んでおります。

SAPIA海外子女教育研究所の特色とは

海外生活を最大限に充実させながら、国内生に負けない学力を身に付けることが本校の目的です。例えば、国語力を伸ばすためには「日本と同じ」やり方をしていたのでは上手くいきません。海外では日本語を使う時間が絶対的に不足しているわけですから、「海外生の弱点や特性」を理解して、それを克服するための授業内容が求められます。本校では、色々なレベルの生徒に対応するために工夫を凝らした授業を行っています。コンピューターを使ったりして、「これだけ説明すればどの子も理解してくれる」というレベルまで分かりやすく講義するようにしていますので、1時間半の授業のために講師が2時間から4時間もの時間を準備に費やしています。そうした授業が、SAPIAの核になっています。でも、SAPIAにとって何よりも素晴らしい点は、のびのびとした環境の中で生徒たちが力一杯がんばり、魅力溢れる海外生として成長していることです。

帰国子女枠の受験は、どのような試験で合否が決まるのでしょうか?

学校によってさまざまですが、大まかに分けて3つのパターンが主流になっています。中学・高校受験の場合、@国内生と同じ内容の英国数の3科目又は国算2科目のテストで、合格点を考慮してくれる場合、A国内生とは違う(帰国生用の)3科目又は2科目のテストを受ける場合、B英語のテストのみで合否が決まる場合です。帰国枠の場合、面接試験で学力以外での+αの経験を重要視する学校が少なくありません。

中学受験を考えている場合、受験のための勉強はどれくらい前から始めるべきでしょうか?

ゆとり教育による学力低下が叫ばれて以来、進学塾では4年生から3年間かけて受験生を育てるカリキュラムを中心に組んでいます。受験用のテキストは5年生からぐっと内容が濃くなり、また難しくなります。5年生からの内容は受験の基礎なので避けて通れないものです。したがって、5年生からでもがんばれば大丈夫ですが、6年生からでは抜けた内容を取り戻すための時間に追われることにもなります。また、つけ加えておきたいのですが、海外に来て1年以上経ってしまうと、国語能力の低下が問題になることが少なくありません。現地校に通うことになった場合、「英語を頑張らないと」というプレッシャーが大きいために、どうしても国語の学習を疎かにしてしまいます。その結果本人はあまり自覚していないことが多いのですが、2年間で偏差値でいうと20くらい下がってしまうことも珍しくありません。こちらに来て2年ほどで急激に英語力が伸びる生徒がいますが、その時に英語が伸びた分国語が急激に下がっていることが往々にしてあります。英語の勉強を精一杯頑張らなければならないことは当然ですが、できれば半年以内に国語力を低下させないための勉強を始めるのが理想です。

Weekly Jangle217号掲載より一部抜粋
取材、文 小川美由紀