国内生に負けない-> ついに国内生を越える時が来た!

超難関校への道のり

 今年は3年ぶりに筑駒と複数の開成合格者が出た。SAPIA11期生の活躍は目を見張るものであったが、特に筑駒・開成を制したS君、開成を制したM君の快挙は多くの後輩達に勇気を与えている。海外からの受験はほぼ無謀に近いと感じられるこれらの超難関校にも合格者が続いて出始め、少しずつはっきりとした「そこに至る道」が見えてきた。これらの学校の合格者にはいくつも共通要素が見られる。それらをまとめてみたい。

 まず、当然のことであるが志望校への強い気持ちである。皆「最高峰を目指したい」という強烈な思いを持っている。理由はさまざまである。親が学んだ大学で学びたい。医者になりたい。中には「家から近いから」というのまであるが・・・(笑)

 次に受験準備であるが、まず早慶に合格できるだけの3科目の実力をしっかりと固め、それに理科・社会を加えるという方法をとっている。3科目の充実が本人の自信を高め、合格の確実性を上げることになっているようだ。したがって皆英語は抜群に強い(英検準1級レベル)ケースが多いのに加えて、数学は国内生と比べてもほとんど劣らない。そして国語もすごく苦手という程でもないというレベルである。cktの模試で考えると早慶合格が確実になってくる偏差値65、66ラインがあまりリスクを負わないで3科目受験から5科目受験に切り替えるボーダーであるようだ。

性格面では皆かなりしつこい(失礼)。問題が解けるまで決してあきらめない集中力と粘り強さを持っている。授業中彼らが正答にたどり着く前に解答を言ってしまって怒られたことが何度もある。できない問題に関しては、「来週まで家で考えさせてください。」となることが多い。頑張るというよりも、時間を気にせず、とにかく解けるまで考え続けなければ気が済まないようだ。したがって誰よりも解けたときの喜びを知っている。

 何年か前にD君という生徒がいた。彼は帰国のタイミングが高校受験と合わず、受験をしなかったが、受験していれば開成合格間違いなしとしてサピックスなどでも期待されていた生徒だ。あるとき彼が数学の超難問を解いた跡を見せてくれた。それはなんと1問解くのにノート5ページを使うという、問題とのすごい格闘の跡だった。まず、1ページ目が計算でいっぱいに埋め尽くされ、最終的に「このやり方ではだめだ」とページいっぱいの大きなバツ印、2ページ目も、3ページ目も、4ページ目も計算で埋められた後に大きなバツ印が書いてあった。そして彼は誇らしげに5ページ目を見せてくれたが、そのページの一番下に正答が光っていた。いくら開成合格者でも、ここまでやる生徒はあまりいない(ちなみに現在彼は東大に通っている)が、この生徒の場合はとび抜けて問題への執念と集中力が優れていた。彼のような生徒を見ていると、解けない問題を3分考えただけで、諦めて解き方を聞いてしまう人にはやはり開成はなかなか門戸を開いてくれないだろうと思う。

 さらに彼らに共通する特徴は暗記や問題をマスターすることの上手さである。彼らが忘れない訳ではない。「自分はどのくらいやれば忘れないか」をよく把握しているのである。ここが、「覚えた筈なのだが、気がつくといつの間にか分からなくなってしまっている」生徒と大きく差のつく部分である。「自分はここまでやらなければ忘れてしまう」ということと、「そろそろ忘れる時期だからもう一度問題をやっておこう」ということが実にはっきりと見えているのだ。これはもちろん普段真剣に勉強に取り組んでいるからこそ身についた能力だと思う。

 先日*かなごんさん(慶應女子出身、現在慶応大学在籍)の講演会があり、それを聴講した後輩の生徒の「数学が苦手なのですが、どうしたらいいですか」という質問に対して松井さんは次のように答えていた。「数学は大丈夫! ひとつひとつ問題を解けるようにして、忘れそうになったら復習するの。高校入試だったら、どんどんたくさんの問題を解いていけば、パターンが見えてくるよ。」
学問に王道なしということだろうか。

そして最後に最も大切な共通要素であるが、「がんばれる自分」を持っていることだ。SAPIAでは「勉強を強いることはしないが、志望校への回り道をしない最短の近道を教えてあげる。」と言っている。しかし当然のことながら、超難関校ではその道は平坦な道ではあり得ない。けれども平坦でないからこそやりがいがある。その道を最期まで自分の力で歩くことが大切だ。

 入試までに「志望校に恥ずかしくないがんばれる自分」をつくりあげよう。
                                      

(2014年度SAPIAニュースレター 5月号より)


*本ホームページ「かなごんの帰国日記」参照