Slow and steady wins the race
じりじり主義が勝負に勝つ
ある大手塾の説明会の講演で言われたことですが、「コツコツ努力してきた受験生は、受験直前の1月になってからもさらに伸びる。」ということがあります。これはもちろん受験前の張りつめた気持ちによる効果もありますが、それだけでは無理で、何年間かコツコツとを積み重ねてきたその積み重ね方に違いが出てくるからです。
大概の生徒は大きく分けて次の2つのタイプに分かれます。
1、ウサギ型=ひらめきがあって、すぐに理解するけれども、苦労して学習していないので、忘れるのも早い。そのため、苦手分野(穴)ができやすい。
2、カメ型=授業の内容をマスターするのに時間がかかるが、できるまで時間をかけて努力するので、記憶が長続きする。そのため、穴ができにくい。
普段の授業では、1のタイプの生徒が目立ち、その優秀さが回りの生徒の目をひきますが、受験直前になると様子が違ってきます。それは、入試では、学習すべき単元がすべて終わっており、それらの苦手分野あるいは、穴を埋めてすべての学習要素を揃えられた生徒が強いからです。特に1月頃になると、2の生徒は自分のできていない部分をしっかりと把握しているのに対して、1の生徒は、あちこちに穴があるため、どこから手をつけていいか分からなくなり、学習効果が上がりにくくなってしまいます。
どの科目でもそうですが、特に分かりやすい例をあげると、毎回の漢字テストで、満点をとってきた生徒は、自分の苦手な漢字や入試に出やすく、間違って書きやすい漢字はどれかを把握していますが、毎回漢字テストをいい加減にやってきた生徒は、「漢字は苦手だから捨てよう(あきらめよう)」とうことになってしまいます。
「自分はコツコツやっているはずなのにどうして他の人に負けてしまうのだろう」と思っている皆さん、本当にあなたの力が発揮されるのは、受験直前なのですよ。
「コツコツ努力する生徒は最後は何とかなるケースが多い」とは、何年か前にサピックスの説明会で言われたことでもあります。
カメ型の人は最初は遅くても、だんだんと加速度がつき、最後はウサギ型の人に負けないスピードがついてきます。あきらめずに最後までがんばりましょう。