“国際人としての視野・確かな文章力“が問われる

 小論文は帰国子女入試を実施する大学のほとんどで試験科目とされています。傾向としては、与えられた課題文に対して自分の考えを述べる形式が主流です。この形式の試験でよい小論文を書くためには、課題文を正確に理解し、筆者の主張・出題者の意図を的確に反映した主題を選び、自分の考えを適切な言葉使いで表現できなければなりません。

 このプロセスで必要とされるものは、第一に国語の力です。大学により出題傾向は異なりますが、一般に、日常会話ではあまり使わない、評論文ならではという語句を理解できないと内容の把握は難しくなります。日本語の評論文は構造が複雑なものも多いので、読解の練習は不可欠です。第二に、課題の背景に関する知識です。多くの課題文は、現代の社会問題とつながる事柄を取り上げています。時事問題や、帰国子女入試で好まれる文化論、人間の心理や行動について深く考えたことのある人はそれだけ深みのある、説得力のある文章を書くことができるでしょう。知識は丸暗記するものではなく、考える手がかりとなるものなのです。

 以上の観点から、サピアでは論文に基礎・応用の二つのコースを用意しています。論文基礎では漢字の習得・文章読解・要約などを含めた総合的国語力の充実を図るとともに、論文の基本的な文章の組み立て方を学び、さらに文化や社会に関する問題にアプローチすることを目的としています。論文応用では、国語力をさらに伸ばし、同時に様々なテーマの課題文に取りくんでいきます。よい文章をたくさん読み、いろいろな考え方を知ることで、広い視野を身につけ、『自分の考え』を掘り出すことができます。考えを組み立てて、論理的な文章を書く力は練習なしには養えません。論文対策には、じっくり時間をかけることが必要です。


対象:高等部
授業料:平常授業料に準ずる
体験学習期間:2週間